データセンタのサービスを理解する

| 6.2. データセンタのサービスの概要

6.1. 設置場所の安全安心

6.1.1. 東日本大震災で露呈したリスク

この度の東日本大震災により被害を受けられました皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を心から祈念いたします。

東日本大震災では、建物の崩壊や火災によるシステムの損壊、ラックの転倒によるサーバや通信機器の破損や故障、停電によるシステム停止など、設置場所・ハードウェアに関する安全対策が必要であることをまざまざと見せつけられました。これを機に、安全対策のためやシステムの信頼性確保のためデータセンタ利用を検討し始めた方も多いと思います。

一方データセンタを選定しようとした場合、その説明にマーケティング上の用語と技術的用語が混在して使われており非常にわかり難い状況となっています。

そこで本稿ではデータセンタにまつわる用語と概念を整理し、実例を交えてどのように選択していけばよいかを説明していきたいと思います。


6.1.2. 設置場所・ハードウェアの安全安心とは

まず、設置場所やハードウェア等の物理的な安全対策とはどのように考えればよいのでしょうか。本サイトの「安全安心とは」でも説明しましたが、情報セキュリティに関してはOECD(経済協力開発機構)が示した三 大基本理念であるC.I.A.を参照して考えるのが一般的です。

機密性(Confidentiality)アクセスを認可された者だけが情報にアクセスできることを確実にすることを意味します。これは許可されない者から情報を保護するという意味なります。情報の漏洩対策や不正アクセスから保護といったことが中心となります。
完全性(Integrity)情報の正確さや完全さが維持されることです。改竄の防止や意図しない変更からの保護が中心となります。
可用性(Availability)必要な時に情報にアクセスできることです。障害発生のしにくさや障害からの復旧時間等が中心となります。

設置場所・ハードウェアの観点からは完全性への影響が薄いため、機密性と可用性に注目することになります。機密性に関するリスクは主に物理的な侵入と考えられます。一方、可用性に関するリスクはいくつか種類があり、以下の物が考えられます。

レイヤー予測されうる障害リスク
設置場所
  • 停電
  • 火災、地震などの災害
ハードウェア
  • ハードウェア部品(電源/メモリ/ディスクなど)障害
  • ネットワーク機器障害
  • 電源ケーブル/ネットワークケーブル障害

例えば自社のフロアにシステムを設置する場合の停電への対応について検討してみます。停電中もシステムを停止させないため、UPSにより電力を供給することが考えられます。ところがUPSでは数十分程度の電力供給しかできないため、数時間の停電に備える為には自家発電装置を導入する必要があります。その際、IT機器にだけ電力を供給すれば良いわけではありません。IT機器は熱によりシステムが暴走したりハードウェアが破損したりする恐れがあるため、エアコンなどの冷却装置にも電力を供給する必要があります。必要な自家発電装置は大きくなりますし、場合によってはサーバルームや居室のレイアウト変更や新たな冷房機器の導入が必要になるなど、非常にコストのかかる作業です。

この様に設置場所・ハードウェアの安全安心を考慮すると、充実した設備・環境を有するデータセンタの利用は理にかなった選択と言えます。


6.1.3. データセンタとは

データセンタ(DC、Data Center)は、各種コンピュータ機器やサーバ、ストレージ機器、データ通信機器を設置・運用することに特化した施設です。特にインターネット用のサーバや通信機器の設置に特化したものをインターネットデータセンタ(iDC)と呼ぶこともあります。

データセンタを利用することで、設置場所やハードウェアに関する安全・安心を高めることができます。データセンタの代表的な設備を見てみましょう。

レイヤー対象設備概要
設置場所建物/ビル耐震設備データセンタでは建物自体に耐震構造や免震構造などの地震対策がされています。また、ラックにも転倒防止の施策が施されています。
耐火設備通常のスプリンクラだけではなく、二酸化炭素等による消火設備を備え、機器を損傷することなく消火活動ができるようになっています。
空調設備空調効率を考えたラック配置や空調設置がされています。
人間入館管理入退室管理、ICカードや生体認証による人物認証、監視カメラなどのセキュリティ設備を備えています。
専用ゲージサーバラックを金網等で区切り、物理的なアクセスを制限します。
ハードウェア電源電源装置UPSや大容量の自家発電装置により、ビル自体が長時間の停電にも耐えることができます。各サーバへの電源系統も多重化されています。
回線大容量回線設備ギガビットネットワークやそれ以上の高速回線をバックボーン回線として複数用意し、高い安定性と耐障害性を持ちます。

では、既存のシステムをデータセンタに移行するには、あるいは新規にデータセンタにシステムを構築するにはどのようにすれば良いでしょうか?

データセンタのサービスには多種多様な種類があるため、サービスを選定する際にはサービス間の違いやメリット・デメリットの理解が欠かせません。今回はデータセンタの提供するサービスの種類を説明し、どのような観点でサービスを選択すれば良いかについて説明します。

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